寒い冬でも暖かく眠るのに欠かせないのが「羽毛布団」。
そんな羽毛布団には実は種類があり、何がどう良いのか分からないという方も大勢いらっしゃいます。
羽毛布団を選ぶ際に悩んでしまわないように、羽毛布団と睡眠の関係や数値の意味、選ぶポイント、おすすめの羽毛布団などをご説明していきたいと思います。
快適な睡眠と羽毛布団の関係
安眠の条件として「寝床内気象」が重要となってきます。
寝床内気象とは、身体と寝具の間にできる空間の「温度」と「湿度」のこと。
理想的な寝床内気象はズバリ温度33±1℃、湿度50±5℃%(RH)です。
室内の温度が変化しても、寝具内が理想の環境を保てていれば快適な睡眠が取れると言われています。
そこで、寝具内の環境を快適に保つのに欠かせないのが羽毛布団です。
羽毛布団は外気温に応じて羽根が開いたり閉じたりします。つまり、部屋が寒い時には空気を取り込み暖かく、暑いときは涼しくするというコントロールを行ってくれます。
羽毛布団のつくり
羽毛布団を構成している要素は大きく分けて3つあります。
羽毛布団の構成
- 羽毛
- キルト
- 側生地
この3つのバランスが羽毛布団の決め手になります。
では、それぞれの種類を説明いたします。
羽毛の種類
ダックとグースの違い
羽毛布団に使われる羽毛は、大きく分けて「ダック」と「グース」の2種類があります。
ダックはアヒル、グースはガチョウのことをいい、水鳥を使用しています。
ダックとグースでは、まず体の大きさが違います。ダックに比べるとグースは体が約2倍ほど大きいです。
そのため、「ダウンボール」と呼ばれるボール状であたたかい空気をたっぷり含む事ができる羽根が、グースの方が大きくハリとコシがあります。その弾力性から、ダウンボールが壊れにくく、よりあたたかさを保ちます。
また、グースの方が草食の為、油分が比較的少ないので、羽毛特有の臭いがしにくいという点もあります。
ダウン率とは
1枚の羽毛布団の中でダウンが含まれている率の事をいいます。
ダウンはフェザーに比べ空気の層を含んで暖かさを作ります。
つまり、ダウン率が高い方が空気を含むので、軽くて暖かくなります。
<例> ダウン率80% = ダウン80% + フェザー20%
ダウンパワー
ダウンパワーとは、羽毛の膨らみを数値化したもので、数値が高いほど優れた保温性を持っているといえます。
充填量
充填量とは、羽毛布団の中に入っている羽毛(ダウン+フェザー)の重さの事です。
寒い冬に使うシングルサイズの目安は充填量1.0~1.3kgです。
充填量は多ければ良いとは限らない
質の良い羽毛であれば、ひとつひとつがしっかりとボリュームがあるので少ない充填量でも十分な保温性がありますが、小さい羽毛だと量を増やさないといけないので、たくさん詰めすぎると重たくなってしまう事があります。
また、羽毛が詰まりすぎると空気の層ができにくくなってしまうので、適切な量を見極める必要があります。
キルトの種類
羽毛は流動性のある素材なので、使用しているうちに片側に寄ってしまいます。羽毛が寄ってしまうと、部分的に寒くなってしまうので、寄りを防ぐためにキルト加工を施します。
キルティングの種類によって、保温力が変わります。
平キルト
表生地と裏生地をそのまま縫い合わせたキルティング。縫い目の部分に羽毛が入らず熱が逃げやすいので、春夏用のダウンケットで使用される場合があります。
立体キルト
冬用の羽毛布団で主流なキルティングです。高さのあるマチでふっくらとし、羽毛をつぶさず保温力を高めます。
2層キルト
キルトのパターンをずらして、羽毛が無い部分を無くす構造になっています。立体キルトに比べると、より身体にフィットし、保温力がアップします。
とっても便利!オールシーズン使える2枚合わせ
「合掛け」と「肌掛け」の2枚の布団を重ね合わせて使うタイプの羽毛布団です。
春と秋は合掛け、夏は肌掛け、冬は2枚合わせてと、様々な布団を用意しなくても、これ1枚でオールシーズンお使いいただけます。
側生地の種類
ポリエステル
コストが安く軽くて暖かです。しかし、通気性が悪く蒸れやすく、寝返りを打った時にガサガサ感があります。
綿(コットン)
丈夫で通気性が良いので蒸れを軽減し、身体にフィットします。生地自体にはやや重量があります。
シルク
肌触りが良くとても滑らか。値段が高く、耐久性は劣ります。
おすすめの羽毛布団
ダックダウンの羽毛布団
グースダウンの羽毛布団
まとめ
羽毛布団は「羽毛」「キルト」「側生地」の品質を見極める事が重要です。
羽毛布団を選ぶポイント
- 1. 「ダック」か「グース」かを選ぶ グースの方が保温性があり臭いが少ない
- 2. ダウンパワーの高い物が高品質
- 3. 充填量が多いと中に入っている羽毛が多い
- 4. 立体キルトは暖かさを保つ
- 5. 生地は綿が優れているけれど、安価なのはポリエステル
ご紹介した内容を参考に、自分の体質と睡眠環境そして予算に合った羽毛布団を選んでください。